イグジットの考察~5年は最低ホールドして、デッドクロスの前に売却する。
イグジットとは株で言えばホールドして売却する事を言います。不動産ではどうなのでしょうか?今日のキャピタルゲインの戦略基礎は、5年は最低ホールドしてデッドクロスの前に売却するです。
キャピタルゲインを的確に得る為に、各々の意味を学習して行きましょう。
まず、5年は最低ホールドするの意味合いは不動産は5年未満で売却すると短期譲渡所得とみなされ、売却益に39%(所得税30%、住民税9%)もの高額な税金がかかってきます。5年を超えて売却すると長期譲渡所得とみなされ、譲渡益に20%(所得税15%、住民税5%)の税金がかかります。
その差、所得税が30%と15%の2倍の違い、住民税が9%と5%と1.8倍の違いが出てくるのです。これは売却益が3000万あったとしても、30%の900万円が所得税としてかかり、9%の270万が住民税としてかかるのです。計1170万円もの税金がかかります。5年を過ぎれば同様に所得税15%・住民税5%で計算すると所得税450万円、住民税150万で600万円の税金となり、5年を超えるか否かで570万もの違いが出てきます。
また一方のイグジットの方の時期の解説です。デッドクロスとは不動産投資では減価償却費と元金返済のバランスが逆転する瞬間を言います。分かりやすく解説すると減価償却費などの「お金が出ていくわけではないけど経費にできるもの」と、元金返済の「実際にお金が出ていくのに経費にできないもの」の逆転が起こる瞬間です。
デッドクロスが起きているということは、減価償却による節税効果が薄くなり課税額が増えているということです。経費にできない返済割合が増えることも難しい問題です。デッドクロス物件を持つことで帳簿上は黒字になっているにもかかわらず、返済金や税金にて出ていく現金が多くなるため手元に残る益が減るどころか場合によっては足らなくなる場合もあります。以前説明したようにできるだけ長い年月で融資を組まないとこの様な事が起きます。
前回、新築10年保証の項で、築10年以内の不動産を狙うというのを話しましたが、中古不動産で劣化対策等級の査定期間にて短期融資の場合、償却期間が短い上に早い段階でデッドクロスを迎えてしまい所得税が大きくかかり、融資返済が原価償却で相殺できない問題が起こるのです。
よって融資を元に中古不動産を購入した場合、プロに相談してデッドクロスの時期を見極め最低5年はホールドしてデッドクロスの前にイグジットする事が的確なキャピタルゲインを得る為には重要なのです。